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体験談,幼児教育の体験談

地域の注目の的だった不調和な保育所が一転、自然環境保護のモデル保育園に! 

2015年1月17日  

上野ミサさん(50代・仮名)

職員間のすさんだ人間関係
21年間勤務し、8年間の主任生活を経て、平成20年4月より所長として今の保育所に赴任いたしました。

この保育所は、職員間の人間関係で縺れ、組合職員と園側とでもめる等、様々な問題を抱え込んだ、他の保育所の注目の的となるような、すごい保育所でした。

「あの人だけは許せない!」「これではいけないと思うけど、やはり許せない!」と、お互いを責めて睨み合い、笑顔のない暗い冷えた職場でした。

“笑顔と調和”なくして子ども達を相手とした仕事ができるはずがない!子ども達に、そのまま保育者達の心が映し出されてしまう!保育者としての任務の重さを、今一度自分自身に問い正す毎日でした。

誰しも「他人の心を変えることは難しいけれど、自らの心は、努力すれば変えられる……」と思い、所長である私は職員に「相手を赦し、自分が無我になれた時、それがどれだけ尊い事でしょう。人を憎むことは誰にでもできるけれど、人を赦すことは難しい。だけど、それができる人は最高だと思いませんか?……」と毎日のように語り続けました。

そして、「私の笑顔を見たら、私の言葉を思い出して下さいね…」と申しました。

改善された人間関係
一ヵ月、二ヵ月と時が過ぎてゆくうちに、職員の硬直した顔に、少しずつ笑みがみられるようになり、「所長先生、今日の私の顔はどうでしたか?」と、その日の自分の笑みを確認するようになり、「最高の笑顔ですよ! いつもその笑顔を、ご主人にも向けて下さいね」と、返す私です。

所長として就任する前は、市の保育課長より「上野さん、大変でしょうが宜しく頼みますよ」と激励を受け、他の所長達からも「これから大変ですね~」と、言われてきましたが、月一度の所長会に、普通に出席している私に向かって、「大丈夫なんですか?」と心配される日々でした。

「大丈夫ですよ。みんな良い職員ばかりで、穏やかな日々ですよ」と、答えることができるようになりました。「赦す」ことの大事さを知ったとき、人は優しさも自然と身につくものなのですね。

チームワークのモデル園を目指して
四月のある日、新聞紙上に、全国の幼稚園・保育園を対象として、『子ども達にグリーン電力の輪を広げよう!』という、「第一回・そらべあ発電所設置園募集」の記事があり、応募してみました。

全国で三ヵ所しか当選しないので、軽い気持ちで応募したのが、なんと、東京の幼稚園と佐賀の幼稚園、それに兵庫の私たちの保育所が選ばれてしまったのです。

地球温暖化防止のために、園舎の屋根に太陽光パネルを設置し、地域や他の幼稚園・保育所に向けてグリーン電力の普及と環境教育を行うモデル園として選ばれたのです。

毎日の保育の中でも子ども達の製作には廃材を再利用する工夫をし、驚くほどの想像力を発揮し素晴らしい作品をみせてくれます。物を大事にし、食事の後、食器に付いたごはんつぶまでも粗末にせずきれいに食べる習慣がついています。

職員間の心の雪解けも始まり、これからは、自然環境保護のモデル園としてのみならず、職員の見事なチームワークのモデル園となれるよう、努力してまいります。今では、「所長先生に替わって、職場が明るく、気持ちよくなりました!」と、言ってもらえるようになりました。

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